三代目赤坂兵之助

2021年1月12日2 分

『[cocur] SAKURA(コクール・桜)』制作でこだわり抜いた「桜の葉」について語ります。

最終更新: 2021年1月14日

『[cocur] SAKURA(コクール・桜)』

皆さま

こんにちは。三代目赤坂兵之助でございます。

今回のクラウドファンディングは、新作をたくさんご用意しました状態でスタートさせることができました!

「花」や「宙」は新しい機構や前回以上に高精細化を実現させ、「かんざし」においては新機軸となりました。

なんといってもこだわったのは「桜の葉」です。

葉の葉脈を「彫り抜き」で表現しております!

前回の『福』のように、最薄約0.3ミリの曲面に沿って葉脈のデザインを彫り抜きくことにより、まるで「金属が透き通るような」体験をして頂けることでしょう。

「金属が透き通るような」彫り抜き彫刻

この彫刻で前回の「福」以上に大変だったのは、葉脈のデザインは下に行くほど隣り合う線の幅が細くなるデザインですので、細心の彫刻が求められました。

「半月一枚刃」が残した最薄の壁は、葉の表面で約0.02ミリ、内部で約0.08ミリ(実測値)となり、彫り抜かれているアクセサリーとしては最薄のデザインではないでしょうか。

この「さくら」を撮影した当日は風が強い日で、薄くて軽い「さくら」は金属でありながらも本物の葉のように舞うので撮影には大変苦労しましたが、同時に「金属の葉が風に舞う」という非日常にワクワクしました。

繊細な葉脈を表現するにあたり、「なにを彫って、なにを彫らないか」、この見極めを非常に重視しながら製作を進めました。

繊細な彫刻はいいのだけれど、「剛性」が確保できずに「触っただけで曲がってしまう」ようなことではいけない…。

それでなくても厚み約0.3ミリの曲面への彫り抜きです。

些細なことでバランスが崩れ、それが失敗の原因になり、その度に『赤坂式半月彫刻法』の再考・・・。

それを延々と繰り返していました。

そんな苦労のかいあって、『桜』は皆さまへとお目にかけることができました!

「やってやれないことはない」

諦めないで続ける大切さを、今回も実感致しました!

赤坂金型彫刻所 代表 三代目赤坂兵之助

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