
PLA-生分解性プラスチックの生分解について
生分解性樹脂(PLA)は、自然界で生分解するのか?

2019/08/09 近くの田んぼにて
先のG20「大阪ブルーオーシャン・ビジョン」にて制定された、海洋プラスチックごみ問題に対しての政策は「プラスチック資源循環戦略」に代表されるように、いよいよ本格的な動きになってきました。
生分解性樹脂(PLA)は、生分解することが「日本バイオプラスチック協会(JBPA)により証明されています。
人工的に作られた環境での生分解実験はよく見かけますが、ここでは「自然に置き去りのまま」で、どのように変化するのかを観察してみました。
「美しく生きる」。そのために、いま、はじめる努力。
生分解性樹脂の、日本における最初のブームは、2005年の「愛・地球博」でした。
PLAの弱点、「高価・もろい・熱に弱い・ねばっこい」の個性は、ときに射出成形品としての特性としては「四重苦」としか表現のしようがなく、「愛・地球博」では「PLAを使ったカップのコーヒーが一杯500円になってしまった」という、面白いけれど笑い話には出来ない、そんなエビソードを、私はPLAの世界第一人者の方から教えて頂きました。
石油を一滴も使っていない、透明で美しい、繊細で精緻、生分解性を持つ…そんな「PLA」は、「美しく生きる」ためのスタンダードになるかもしれません。

2019/08/09 近くの田んぼにて
みんな、本当は分かっている「悪いのはプラスチックではない」。

例えば、おいしい料理を作れるはずの包丁でも、使い方を間違えると大変なことになります。
プラスチックもおなじで、正しく作り、正しく使わないといけません。
いま、世界中の海で問題になっている「海洋プラスチックごみ問題」は、私たちがプラスチックを正しく使わなかったことによる問題ですので、その私たちに責任があるのです。
みなさんと一緒に、もう一度しっかりと考えてみたいことは、「本当に、プラスチックが悪者なのですか?」ということなのです。
プラスチックを使いこなせなかった、私たちの問題なのではないでしょうか?

手づくりの環境下でも分解してくれるPLA。



腐葉土や食物、野菜などと一緒にPLA製の「ものさし」をいれて、お弁当などを温める保温機で温め続けるという、「手づくり」の環境下での実験も行いました。
堆肥を作る「コンポスト」に近い環境は、水、温度、細菌、といった「PLAが生分解するための環境」を与えてくれています。
その環境にて、約4週間で、PLA製の「ものさし」は分解しだしました。
身近な環境でプラスチックが分解されていく様子は新鮮で、「海洋プラスチックごみ問題」に対する解決策の一つになる得ることを実感しました。
「私たちは、微力かもしれないけれど、無力ではない」。

2021/09/06 分解しだすPLA
「いま、地球環境問題に取り組まなければ、現在に30歳以下の人が天寿を全うできない世界になるかもしれない」(国連やIPCCの発表による、最悪のシナリオとして)。
「私たちが最大限に気候変動を認識する最初の世代であり、これに対して何かできる最後の世代であることを、もう1度思い起こすべきです」(世界気象機関のターラス事務局長)。
結論として、生分解性樹脂(PLA)は、野外の自然な環境下にあっても、確実に生分解してくれます。
このような樹脂による「ものづくり」により、地球環境改善への取り組みが始められるはずです、私たちは「無力ではない」ことを、ものづくりを通じてご一緒に実感出来れば、こんなに心強いことはありません。
人工的環境でのPLA生分解実験動画
PLAで協業している堺市の「サンエイプラテック」の岡田さまが、人工的環境での生分解実験の様子を動画にまとめてくださいました。